修理工房の今夜のメルマガは、三島が担当させて頂きます。よろしくお願い致します。
今朝、道端に赤々と咲く彼岸花を見かけました。お彼岸の時期の訪れを感じております。
「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、1日を通して暑さを感じる事が減ってまいりました。
お客様のお住まいの地域ではいかがでしょうか。
本日は、お時計の油についてお話しさせて頂きます。
機械式のお時計はもちろんのこと、クオーツのお時計も針で時間を示すアナログ時計は、
文字盤上の針が内部では歯車に繋がっており、歯車が回転することにより時を刻んでおります。
時計内部の無数の歯車がスムーズに動作するよう、各部品には潤滑のための油が添えられております。
修理内容をお伝えする際には、これを「油脂」や「機械油」としてお伝えさせて頂いております。
私たち修理工房では時計専用の油を使用しておりますが、部品の種類やメーカー、
モデルによって使い分けられており、1つの時計で4、5種類の油が置かれることも珍しくありません。
また付ける場所や量についても、メーカー、モデルによって異なりまして、どの時計のどの場所に、
どれだけ注油するのが最適なのか、修理業者に公開されているメーカーもあれば、非公開となさっているメーカーもございます。
この油は経年で乾燥したり、水分・湿気に触れること、そして微細なゴミが付着することにより劣化してまいります。
驚かれるかもしれませんが、時計によっては激しい動きや振動により偏りが生じることもございます。
このように油が正常に機能しなくなりますと、油の固着や不足により部品同士の摩擦が大きくなり動きが悪く、
お時計自体の精度不良や停止などの不具合に繋がってまいります。
油が劣化した状態のまま使用なさいますと部品の磨耗を早め、変形、錆び付きの原因になる事もございます。
そのため動作に不具合が出た時には、部品の交換が必要な状況になっていることも多々ございます。
機械式時計の油の変質は、お使いの環境にも左右されますが、3~5年と言われております。
そのためオーバーホールの際には古くなった油を洗い落とし、新しい油を注油いたします。
お時計はオーバーホールの間隔を4、5年毎が良いとお伝えしているのは、
この油の経年劣化を見越しているためでもございます。
製造した時の部品のまま、お時計を長持ちなさいますなら、
定期的なオーバーホールをおすすめ致します。
お時計の油は、薄く付けられているため目視ではほぼ分かりません。
そのため実感しづらいものでございますが、お時計の動作にはとても大切なものでございます。
本日は、お時計の油の話でございました。
この週末には、再び台風が日本列島縦断する予報が出ております。
お出かけのご予定がございましたら、お気をつけください。
株式会社修理工房 三島
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ブログにて時計修理についての業務日報を掲載させて頂いております。
お手隙の折にご高覧くださいませ。
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