お客様

時計修理工房の近藤でございます、今夜のメルマガを担当させて頂きます。

来週は全国的に見ても雨予報の地域が多く、9月も下旬となり、日が沈むと寒さを覚えます。

体調を崩しやすい気候かと存じますので、どうかご自愛ください。

来週は雨予報が続くということで、本日は、防水検査について、

ご紹介をさせていただきたく存じます。宜しくお願いします。

まず防水性能の検査方法は、以下の2種類がございます。

・実際に水を使った防水検査。

お時計から、機械や文字盤などの部品を全て取り外し、

ケースのみの状態にして、実際に水に入れ、圧力をかけ防水性を測定する方法。

・空気圧を使った防水検査。

お時計に特殊なセンサーを当て、検査機械内に空気を送り込み、圧力を加える事で測定する方法。

実際に水を使った防水検査は、一度に大量のお時計の検査を行えるメリットがございますが、

設備が非常に高額であることに加え、内部の機械を取り外す手間が掛かります。

空気圧を使った防水検査は、1本ずつ検査を行う必要がございますが、

実際に水を使う機械と比べますと、かなりお手軽に検査する事が可能でございます。

※一般的な時計修理業者が使用する検査機は、空気圧を使った防水検査機かと存知ます。

高い防水性能を誇るお時計の検査程、リスクを伴います。

生活防水程度のお時計は、低圧力で検査が行えますので、

防水が損なわれている場合でも軽く空気圧が内部に入るだけで済みます。

しかし、200mや300m、それ以上に防水性能が高いお時計の防水検査を行うには、

高い防水性能を測定できるまでの、高圧力で検査を行う為、防水性が損なわれているお時計は

圧力の変化により、ガラスが割れてしまう事例が年に2、3件ございます。

※万が一割れてしまった場合は、ご報告を差し上げ、修理をさせて頂いております。

そのような事が無いように弊社では、事前にお時計本体や、パッキンの状態を確かめ、検査を行うようにしております。

経年的なお時計の歪みや、裏蓋とケースの間の腐食などで防水性能が損なわれている事が多く、

事前に防水検査をクリア出来ないと判断させて頂いた場合は、極力見積もり時にご案内しております。

一度失った防水性能は、基本的には回復できません。

防水性能の低下の原因の多くは、お時計のケースの劣化や、裏蓋の腐食でございます。

腐食とは、汗や湿気により金属が錆びることを言います、これが原因で密閉性を保てなくなり、防水性能が低下します。

※パッキン類の劣化による軽度な防水不良は、部品の交換をすることで回復する場合もございます。

また、ケース交換(ガラス、ベゼル、ミドルケース、裏蓋などの本体部分一式)を交換しても回復可能です。

防水性能を損なわない為には。

先ほども申し上げましたように、裏蓋とケースの間が腐食することで、密閉性が低下してしまいます為、

汗をかいた後などは拭き取って頂くこと。そして落下などの衝撃により歪み、防水性能が低下する事例が多くございますので、

衝撃にはお気をつけください。この2つと合わせ、定期的なメンテナンスをする際パッキン類を交換する事で、

より防水性能が長持ちします。

※なお残念ながら、防水性能を測定できないお時計がございます。

弊社のような修理業者が所有している防水検査機は、せいぜい300m防水程度しか測定できません。

空気圧を使用する場合は、お時計を微妙に歪ませる事で、装着したセンサーからデータを読み取り防水性能を測定致しますが、

高い防水性能を誇るお時計は、500m、1000m、いや、それ以上のお時計も…お時計が丈夫すぎて歪まず測定できません。

メーカーでは1000mまでの防水検査が行えると伺ったことがございますので、300m以上の防水検査をご希望の場合は、

力不足で誠に申し訳ございませんが、メーカーにて防水検査を行われることをご提案致します。

長々と防水検査についてご紹介させて頂きましたが、いかがでございましたでしょうか?

ご愛用のお時計の防水性能を確かめておくだけで安心に繋がります、お気になさる場合は、是非お任せください。

株式会社修理工房 近藤

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ブログにて時計修理についての業務日報を掲載させて頂いております。

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よろしければこちらの「時計修理について」もあわせてご覧ください。



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この日報は、 近藤【時計修理工房】が執筆しました。

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2021年6月17日(木)
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