金木犀の香りがそこかしこで感じられるこの頃。とはいえ、本日は当窓口のある名古屋市も気温27℃に達し、夏がぶり返されたようでございました。気温の変化にともない、お身体の健康とともに、汗や水分の影響が及びやすいお時計の「健康」にも気遣わなくてはなりませんね。非防水のお時計はもちろん、防水性のあるお時計でありましても、水滴がついてしまっていた際は、こまめにお拭き取りいただくことがお時計の生死を分けます。今年もあっという間に残り2ヶ月少々、皆様におかれましても、年の瀬まで駆け抜けることと存じますが油断は大敵。お時計ともどもケアを怠らずに、どうぞご自愛くださいませ。
時計修理工房の石川から、本日の時計修理業務をご報告するとともに、お客様からお預かり致しましたセイコーのお時計をご紹介致します。
今日のお時計【セイコー】
このたび2回目の動作不良として、ふたたびお任せいただきましたH様のセイコー・グランドクオーツ。
誠に残念ではございますが、
「ガラスの内側に、こう、白ーく水滴(くもり)が付いてしまっていて・・・。
汗か何か入ったのかなぁ。一番気に入っているから、また動くようになればと思いまして。」
と、なんらかの原因でお時計内部に水分が混入し、動作が止まってしまった経緯がおありとのことでございます。
冒頭でも申し上げましたとおり、ほぼすべての部品が金属製であるお時計にとって、水分はサビつきや機能障害などを引き起こす原因となります。さらに、お時計は長らくの年数のあいだご愛用されているとのこと。H様がお気を付けていただいたとしても、長年で積み重なったケースのわずかな歪みや隙間から、汗や雨の水滴などが混入してしまった可能性がございます。
「何本も時計は持っているんだけれど
(こちらは)就職したときに・・・40年前くらいだね。
初めて買ったもので使い勝手が良いから気に入っているんだ。」
ご愛用歴40年間!たいへん思い入れの深い一本なのでございますね。
お時計をご愛用されるお客様に出会い、「もの持ちが良い」というよりも、ひとつのものを大切に使い続ける一途さがとても素敵なことだと気付かされます。高価なものだから、という理由だけではなく、生涯の友やわが子のごとくかけがえない存在として扱われているH様の想いに、またなんとしてもお応えしたいと強く感じました。
メーカーさんでも、部品の生産および保有期間が終了してしまっており、お直しが出来ないと判断されてしまったともうかがいました。たしかに、困難を極める修理となるかと存じます。しかし、少しでも希望を持ち、すべての提携先工房や職人さんにご提案が出来得るかを相談させていただく次第です。【21783】
今日の業務目標
- より多くのお時計を、丁寧に最終点検を行った上でお客様にお納めするべく、通常毎週金曜日にうかがう職人W様のもとを本日中にお訪ねし、修理を完了したお時計を受け取りにまいります。→訪問致しました。予想以上に多くの、10本以上のお時計を受け取り、本日と明日にかけて点検作業を完了してまいります。
あすへの引き継ぎ事項
- 平日最終営業日のため、お客様や職人さんに行うべきご連絡やご郵送など、漏れの無いよう明日中に完了させます。
日報作成時間
19:00 – 19:30
コメントを残す