お客様、今夜は時計修理工房の近藤がお便りを担当させて頂きます。よろしくお願いいたします。
唐突ですがきょうは10月26日の金曜日、本日は、何の日かご存知でしょうか?
実は「原子力の日」でございます…今から遡ること55年前の1963(昭和38)年に、
茨城県東海村の日本原子力研究所で、日本初の原子力発電が行われた日でございます。
また翌年の1956(昭和31)年に、日本が国際原子力機関(IAEA)に加盟した日でもあります。
記憶に新しい震災以降、原子力発電の是非が問われる機会もございますけれども、
私たちの暮らしを支える電気の源として、決して軽視はできない存在でございますね。
賛否両論あることと存じますが、この歴史を知り、学ぶ経験は大切にしたいもの…。
きょうは、この「原子力の日」にちなみまして【原子時計】をご紹介させて頂きます。
お客様がご愛用のお時計は、現在【日差】どのくらいの遅れ、進みが発生しておりますか?
気にならない程度かと存じますが、お教え頂けますと幸いです。
※日差とは、お時計が刻む時刻が、1日(24時間)でどのくらい、遅れたり、進んだりするのかを、
数字で表す方法でございまして、機械式のお時計は、日差±15秒以内が、良い精度(時を刻む正確さ)と言われます。
(搭載されている機械により精度の基準が異なります為、ご参考までお願い致します。)
クォーツのお時計は、機械式の100倍精度が良いと言われる事がございますが、
平均日差0.5秒ほどで、国産時計メーカーのCITIZENが製造、販売しておりますエコ・ドライブは、
究極の精度と言われており、年差(年間)±1秒以内の精度を誇ります。これは圧倒的でございますね。
またソーラー電波のお時計は、1日に2回標準時を受信して修正する機能など、
ご購入されてから殆ど時刻合わせを行わなくても良いものもございます。
精度は、1秒間に、どれだけ時を刻む為に、振動を行うかで異なります。
お客様は、お時計の販売店様などで、カタログをご覧になられた事があるかと存知ますが、
その中で、21600振動や、28800振動などの言葉をご覧になったことはございませんか?
この振動数は、以下のような計算になり、振動数が多い程精度が良いとされております。
21600振動/時 = 6振動/秒 = 3ヘルツ
28800振動/時 = 8振動/秒 = 4ヘルツ
クォーツ式のお時計は…(電池式でよくある機械)
117,964,800振動/時 = 32768振動/秒 = 16384ヘルツ
でございます為、精度が良い訳です。
お待たせ致しました、お客様。ここから、本題の原子時計のお話でございます。
先ほどの紹介のように、振動数が多ければ多い程、時を正確に刻む事が可能でございます。
原子時計はその名の通り、原子を振動させて周波数標準に基づき極めて正確な時間を求めております。
その振動数、なんと91億9263万1770ヘルツでございます…
一般的な機械式のお時計が、3ヘルツでございます為、もう計り知れません。
単純計算で3000万年に1秒程度の誤差とされております為、生きている間に1秒誤差が出たら奇跡でございます。
その為、原子時計を元に作られた正確な時刻情報を標準電波として、世界中に発信されております。
ここまでお目を通してくださいまして、誠にありがとうございます。
日差が気になるようでございましたら、お時計内部で不具合が発生している場合もございます。
お困りの際は、迅速に対応できるように体制を整えております為、是非ご相談くださいませ。
以上、「原子力の日」にちなんだお時計のお話でございました。
▼ 無料郵送パックの申し込みはこちらで承っております。
https://www.w-repair.jp/inquiry/
10月中旬から下旬にかけて、気温はグッと冷え込み、気候が変化することで、
風邪を引きやすくなるかと存じます。ご無理はなさらず、是非お体にはご自愛くださいませ。
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近藤峡立(こんどうかいり)
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