昨日もたくさんのお問い合わせやご来店をいただき誠にありがとうございました。
時計修理工房の石川から、遅ればせながら、昨日の時計修理業務をご報告するとともに、お客様からお預かり致しましたエンポリオ・アルマーニのお時計を通して学んだことをご紹介致します。

今日のお時計【エンポリオ・アルマーニ】

「以前、正規店で『文字盤の脚が折れている』と指摘されたことがありまして・・・。
それは大丈夫なのでしょうか?
そして実は、電池交換は前回一年前に行っているんです。電池切れにしては早いかと思うのですが、どうしてなんでしょうか。」

電池交換と防水検査を完了したお時計について、お客様にお電話でご報告を差し上げたときのこと。ご依頼をいただいた当初はおうかがい出来なかった、お客様のご不安な点、素朴な疑問を率直にお話してくださいました。そのような、お気軽にお尋ねいただいたお客様のお気持ちに嬉しく思いながらも、すぐにお答えすることが出来ず、はっとさせられたのでした。
せっかく作動するようになったお時計を、すぐにお客様にお届け出来ないことは残念でございますが、すぐに私自身も気になり、担当してくださった職人さんに再度お時計を調査していただくこととなりました。
文字盤の脚は、確かに折れてしまっておりました。電池の交換のみを行ったため、作業当初の時点で気付くことができなかったようです。文字盤を支える脚が折れるということは、バランスを崩し、文字盤が傾いてしまうということ。それにより中央で動き続ける針にも負荷がかかり、規則正しい動きを妨げることとなります。ときたま動きを鈍らせながらも、精一杯動き続けようとする針。動力となるお時計の電池は、このために通常よりも消耗の速度を上げ、針を動かし続けているという状態でございました。つまり、文字盤の脚が破損したことにより電池の消耗が早くなり、早々に交換が必要となるのです。
文字盤の脚、電池の消耗度合い。一見、関連のない箇所の不具合かと思われましたが、ひとつのお困りごとがまた他のお困りごとを呼んでしまうのですね。大きな文字盤を支える、小さくも重要な柱の「脚」は、壊れてしまうことでより大切さを知らしめることとなりました。お客様には、ご来店いただいた際にきちんとお伝えするべくお電話口では簡易的な説明に留めさせていただきました。『あ!そういうことだったんですね!』と驚かれるお客様の反応を想像しながら、お納めする瞬間を心よりお待ちしております。【20791】

昨日の業務目標

  • 社内会議のため、資料作成等を行う岸さんの負担を減らすよう、他スタッフと協力し合いお電話でのお客様のご対応を担当致します。→お電話でのお問合わせは営業時間中、非常に多いため皆で代るがわる担当し、無事全う致しました。

本日への引き継ぎ事項

  • 修理を完了しているお時計をお納めするため、最終点検から郵送作業までの業務に徹します。

日報作成時間

9:30 – 10:00

日本全国から時計修理を承っております。
よろしければこちらの「時計修理について」もあわせてご覧ください。



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この日報は、 石川【時計修理工房】が執筆しました。

静岡県出身、現在は愛猫2匹と名古屋市に在住。これまでアパレル・販売業に従事しておりました。 時計修理工房の中では新参者ですので、日々たくさんのお時計に触れることが勉強です。特に、お客様や職人さんと世間話やお時計にまつわるお話しをすることが好きです。お電話でのご連絡や、名古屋市西区那古野のサービス窓口にて、お客様にお目にかかる時にはどうぞよろしくお願いいたします。

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とりあえず相談はこちらから。どのお客様にも、お時計を拝見してからお見積もりをご提供。お見積もりのあと、92%のお客様からご依頼を頂いております。

▲もし、私たち時計修理工房がお客様のお役に立てるようでしたら、お気軽にご相談ください。ロレックス、オメガをはじめ、無名のブランドの腕時計もできる限りサポートさせていただきます。いつかお客様のお時計を、この「時計修理工房の日々」でご紹介できることを楽しみにして、お問い合わせをお待ちしております。



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株式会社修理工房が、この「時計修理の日々」のブログに取り組み始めたとき、在籍していたスタッフはみな半信半疑でございました。修理の記録、日々の出来事を読んでくださるお客様が、果たしてどれくらいいらっしゃるか。まったく想像がつきませんでしたし、事実、最初の頃は日に数人しかアクセスがなかったのです。それでも続けた結果、劇的な成果を得ております。

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私たち株式会社修理工房は、お客様のお時計の修理、オーバーホールを担います。ブランドはロレックスやオメガなどの王道から、知る人ぞ知るマニアックなブランド、廉価な国産品も対応させていただいております。メーカーで断られてしまったお時計でも、弊社であれば直せる可能性がありますので、(あまり期待はせずに)お問い合わせをお寄せください。

私たちは、お客様のお時計を直すことによって、心にできた傷や綻びをなんとかしたいと考えております。時計は心にあると思う次第です。したがって、私たちは機械を直すのではなく、ひとの心に触れる仕事をしているのだという自負をしております。なるべくお役に立てるように努めて参ります。今後ともどうか、引き続きご愛顧をくださいませ。

2021年6月17日(木)
株式会社修理工房
社員一同