雨空から湿気をたっぷりと含んだ空気の曇天、ようやく梅雨らしさを感じる一日でございました。明日は名古屋も気温を30度越えになりそうだと耳にしました。お客様ご自身はもちろん、湿度や水気に敏感なお時計のコンディションにも気を配らなくてはなりませんね。防水機能が優れていても、お時計の大部分を構成するのは金属でございます。メンテナンスなど気になることがございましたら、些細な事でもご相談くださいませ。本日もお問い合わせ、ご来店をいただきありがとうございました。
時計修理工房の石川から、本日の時計修理業務をご報告するとともに、職人さんより教わったお時計の部品についてご紹介致します。
今日のお写真【ゼンマイ】
機械式時計のオーナーであれば耳にしたことがある、あるいは目にしたことがある部品でございます。その役割や存在はあまりにも周知されておりますが、改めて部品をまじまじと拝見しますと面白いものです。
渦巻状に巻かれたゼンマイは、機械式時計の動力源であり、車で例えるならタイヤのような消耗部品でもあります。リューズを引っ張り、手前から奥へ回転させるとリューズとお時計内部を繋ぐ「巻真」も回転します。その巻真は「キチ車」という歯車を伝い、「丸穴車」という歯車に伝わります。さらにその回転が「角穴車」という歯車に伝わると、角穴車はゼンマイが収められている「香箱」へと繋がっているため、ぐるぐると巻かれたゼンマイの中心にある「香箱真」を回転させ、ゼンマイを巻き上げるという仕組みでございます。(何気なく行うこの作業に登場する部品数の多さから、お時計の仕組みの複雑さがお分かりいただけますよね。)
中心にギュッと集められたゼンマイがほどける力で、香箱全体を回転させ、外周の歯車、香箱車が輪列に動力を伝えます。ゼンマイの中心は「コハゼ」で逆回転できないようになっており、外端は香箱ケースに引っかかっているので、香箱ケース本体がその方向に回転することになります。複雑に思えますが、無駄なく仕組まれており機械式時計ならではのロマンが感じられる一部であるかと存じます。
お時計を動かすために常に動き続ける、働き者のゼンマイ。お客様により永くお時計をお使いいただくためにも、切れてしまう前に交換をお勧めすることもございます。オーバーホールをご希望の際には、ぜひご一緒に新品のゼンマイに交換されてみてはいかがでしょうか。
今日の業務目標
- 朝礼に余裕を持って臨めるよう、早めの出勤をし清掃などを済ませます。→朝礼までに事務所内の清掃、窓口の清掃、お客様にお出しするための冷茶のご用意を完了致しました。
今日の業務スケジュール
9:45 – 事務所内の清掃、窓口の清掃、お客様にお出しするための冷茶のご用意を致しました。
10:00 – 朝礼に参加致しました。
10:10 – 修理を完了したお時計をお客様へお納めするため、修理箇所の最終点検、お客様へのご報告、梱包を行いました。また、工房より到着したお見積書のチェックを行い、見積作成作業担当者が作業をしやすいよう経過日数ごとに振り分けを行いました。
14:00 – お時計を発送する準備を整えました。
15:00 – 休憩を取りました。
16:00 – 引き続きお時計をお納めするため作業を進めました。
あすへの引き継ぎ事項
- 本日も職人さんより修理を完了したお時計を多く受け取りましたので、明日からもお客様へお納めするための準備を行ってまいります。
- 時間の隙間を見つけ、お見積りにお返事をいただけていないお客様へ再度ご連絡をお取りしてまいります。
日報作成時間
19:00 – 19:25
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