ご存知の通り、腕時計の歴史は古く、人類はいかに正確な時刻を知るかについて、長年にわたって知恵と工夫を重ねてまいりました。この歩みのなかで、クウォーツの発振を応用した電気式の腕時計は、世紀の大発明として世の人々を驚かせた次第です。クウォーツ時計の台頭は、腕時計に携わる全ての人に、大きなインパクトをもって受け止められて、そして現在に至ります。
もちろん機械式には機械式の、電気式には電池式の良さがございます。私たち時計修理工房は、これまで時計の製造や修理に携わられた全てのひとに尊敬をしながら、まいにち多くの時計をお預かりして、お手入れをさせていただいております。中でも、電気式の腕時計の宿命といっても差し支えない電池切れにともなう【電池交換】は、ご用命いただく頻度の高いお仕事でございます。
ORIS(オリス)の【電池交換】は、コツさえ知っていれば、さほど難しい作業ではございません。専用の工具を用いて裏蓋を外し、慎重に金具を触りながら古い電池を取り出して、開封したばかりの電池を差し込みます。このとき必ず、防水性を担保するパッキンと呼ばれる黒い輪ゴムのようなものを交換して、経年劣化による湿気の混入を未然に防ぎましょう。このあと、ゆっくり圧を掛けるようにして裏蓋を閉じれば、【電池交換】は完了です。
難しくはございませんけれども、お客様ご自身で作業をなさいますことは、あまりお勧めいたしません。裏蓋を開け締めは、ひとつ間違えればガラス面の破損に繋がりますし、チリや埃が混入したとき、それらが歯車の動きを妨げる可能性もゼロとは申せません。簡単な作業ですが、私たち時計修理工房でなくとも結構ですから、信頼できる業者さんに委ねられますように、くれぐれもお願い申し上げます。
また、ごく稀に、新しい電池を入れても期待通りの動作をせず、劣化していたと思われる電池に十分な残量があった…ということも多くございます。お察しかもしれませんが、そもそも時計のムーブメントに不具合が生じていて、正常な動作をしていなかったということも珍しくありません。この多くは【オーバーホール(分解修理)】によって解決いたしますが、おそらくお客様が想像なさっていた10倍ほどの費用を要しますことを、あらかじめご了承ください。もちろん、ご予算に合わない場合は、遠慮なさらずにお断りをくださいませ。
とにかく、私たち時計修理工房は、お客様のご意向を尊重することを第一に考えて、大切なORIS(オリス)を長くご愛用いただけるよう、精一杯のご案内に努める所存です。お時計の状況を拝見して、まずは必要最低限の工程と費用をお伝えするために少しお時間をいただきますが、5年先、10年先も快適にお使いいただけますように、できる限りのことをして差し上げたいと考えております。
なお【オーバーホール】など時計修理の詳細については、弊社のホームページ( www.w-repair.jp )に記載をしております。お困りのこと、お悩みのことがあれば、どんな些細なことでもご相談ください。お客様が何より大切になさいますORIS(オリス)を、お客様よりも丁重にお預かりして、ご希望に沿うよう努めてまいります。何卒、よろしくお願い申し上げます。
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