週末からようやくの晴れ間を見せたと思えば、蒸すような夏の空気に変わりましたね。今年もやってきた、名古屋の本格的な夏を感じております。じわりと汗がにじむこの時期は、お時計の外装にも影響が出やすくなります。本日は、実際の修理を通してご紹介いたします。
諸事情により遅くなりましたが、時計修理工房の石川から、日報をご報告いたします。

今日のお時計【カルティエ】

以前、愛知県名古屋市のX様より、お時計のケースクリーニングをご依頼いただきました。ゴールドが美しく輝きを取り戻すために金メッキを施し、お納めしたのは数か月前。
このたびは、時間が経っていないにもかかわらず汚れが目立つ状態になった、とのことで再度お預かりさせていただきました。

写真 2015-07-02 13.35.06

確かに、ケース左側に茶色い錆のような着色汚れが目立ちます。X様には、一度きれいになった大切なお時計に変化が生じてしまい、ご心配をおかけしてしまったことを謹んでお詫び申し上げます。
このたびの汚れの原因は、推測ではございますが、水気や汗が入り込んだことによる腐食が考えられます。メッキは、錆易い金属(素材)を錆びにくい金属(貴金属)で被覆する(メッキする)ものですが、メッキ表面には無数のピンホールがあるそうです。そこに電解物質である水、汗、海水等が入り込み、素材を腐食していき、その腐食物が表面に出てくると、それが錆として確認できるようになります。
腐食を防ぐ為には、水、汗、海水等がメッキ表面に長時間付着しないよう、こまめに拭き取ることが大切です。特に汗や水に無意識にさらしてしまうことが多いこの季節です。メッキといえども日々のケアが大切でございますね。
X様のお時計には、再度メッキ処理を施し、見事にツヤを取り戻しました。しかし、裏面には一部汚れが、メッキをかけても跡を残しました。今後のご使用にも一層のお心配りをいただければと願い、修理結果報告書には上記のご注意事項を記載いたしました。

今日の業務目標

  • 早退させていただくため、業務にやり残しのないようペース配分を考える。→入金の確認や日報のやり残しができてしまいました。平野さんや皆さんに引き継ぎをお願いしました。

今日の業務スケジュール

10:00 – 岸さんと福井さんに、冷茶の準備の仕方をお伝えしながら、お客様にお出しするお茶の準備を行いました。
10:30 – 先週、各職人さんより受け取った修理が完了したお時計をお納めするため、お客様へのご連絡や発送準備を行いました。中には修理の出来かねるお時計もあり、きちんとお客様に状態や修理不可の理由をお伝えするため、再度職人さんや平野さんに質問し、確認しました。お客様にもお電話やメールでお伝えすることができ、お詫び差し上げました。
12:00 – 銀行ATMにて、振込や通帳記載を行うため外出しました。
12:30 – 休憩を取りました。
14:10 – 無料梱包パックを皆で作成しました。
15:00 – ふたたびお時計のお納め作業を行いました。
16:00 – 修理代金をご入金いただいたお客様へ、ご報告とお礼のご連絡を10件差し上げました。
17:30 – 早退させていただきました。

あすへの引き継ぎ事項

  • かばん修理工房の出納帳などをまとめます。
  • ご入金いただいていないお客様へのご連絡リストを作成いたします。

 

日本全国から時計修理を承っております。
よろしければこちらの「時計修理について」もあわせてご覧ください。



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この日報は、 石川【時計修理工房】が執筆しました。

静岡県出身、現在は愛猫2匹と名古屋市に在住。これまでアパレル・販売業に従事しておりました。 時計修理工房の中では新参者ですので、日々たくさんのお時計に触れることが勉強です。特に、お客様や職人さんと世間話やお時計にまつわるお話しをすることが好きです。お電話でのご連絡や、名古屋市西区那古野のサービス窓口にて、お客様にお目にかかる時にはどうぞよろしくお願いいたします。

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とりあえず相談はこちらから。どのお客様にも、お時計を拝見してからお見積もりをご提供。お見積もりのあと、92%のお客様からご依頼を頂いております。

▲もし、私たち時計修理工房がお客様のお役に立てるようでしたら、お気軽にご相談ください。ロレックス、オメガをはじめ、無名のブランドの腕時計もできる限りサポートさせていただきます。いつかお客様のお時計を、この「時計修理工房の日々」でご紹介できることを楽しみにして、お問い合わせをお待ちしております。



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株式会社修理工房が、この「時計修理の日々」のブログに取り組み始めたとき、在籍していたスタッフはみな半信半疑でございました。修理の記録、日々の出来事を読んでくださるお客様が、果たしてどれくらいいらっしゃるか。まったく想像がつきませんでしたし、事実、最初の頃は日に数人しかアクセスがなかったのです。それでも続けた結果、劇的な成果を得ております。

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私たちは、お客様のお時計を直すことによって、心にできた傷や綻びをなんとかしたいと考えております。時計は心にあると思う次第です。したがって、私たちは機械を直すのではなく、ひとの心に触れる仕事をしているのだという自負をしております。なるべくお役に立てるように努めて参ります。今後ともどうか、引き続きご愛顧をくださいませ。

2021年6月17日(木)
株式会社修理工房
社員一同