晴れ渡る秋の高い空に、うろこ雲が美しい一日でございました。こんな気持ち良い日には、子供の頃の「運動会の日」を思い出します。
私石川(いしかわ)が子供の頃、運動会当日に指定されることが多く毎年晴れていた印象の10月10日「体育の日」は、ハッピーマンデー制度により2000年から10月の第二月曜日へと移行されました。時代が移り変わるに連れ、祝日や休日はその時代に合わせ次第に変化をしてゆくものですが、きちんと意味合いや記念があり制定されたものが変わっていってしまうのは少し寂しくもあります。
ちなみに、1964年(昭和39年)10月10日は東京オリンピックの開会式が行われた日本人にとって記念すべき日であり、「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」という思いが込められておりました。きたる4年後の東京オリンピックを心待ちにしつつ、祝日は変化しても変わらず美しい秋空の下、のびのびと体を伸ばして楽しむ「運動の秋」も良いものですね。
本日もご来店、お問い合わせをいただき誠にありがとうございました。
時計修理工房の石川から、本日の時計修理業務をご報告するとともに、お客様からお預かり致しましたチュードルのお時計をご紹介致します。
今日のお時計【チュードル】
「60年代のTUDORです。落下させてしまい、動作不良、文字盤破損です。修理お見積をお願い致します。」
J様からお任せいただきましたのは、およそ半世紀も前に製造されたチュードルのお時計。
ご愛用されていた年数はどれほどであったのでしょうか。人間で例えてもかなりのご高齢、骨も折れ、打ち所が悪ければ・・・と考えますと、このたびの動作不良はまさにお時計も「虫の息」の状態。特に落下の衝撃は外面から計り知れぬほどのダメージを内部機械に与えているのです。
裏ぶたを開けた職人さんは口々に、各部品が錆びつきや摩耗の深刻さ・文字盤の脚が折れているなどの衝撃による凄惨なあり様を強く訴え、部品の交換をしたくてもとっくに生産が中止されており、部品の入手が出来かねるとして修理を受け付けていただけませんでした。メーカーにても、恐らく部品の在庫保有が終了していることから同じ結果と鳴るのではないかと予想がつきます。
J様からも、時間は気にしないと寛大なお言葉をいただきましたが、どうにかお直しをしたいという気持ちはひしひしと伝わってまいりました。
様々な職人さんのもとを奔走し、どうにかお直しのご提案をと悩むなか、ひとりの職人Yさんは「出来るかどうか、やってみないとわからないけど・・・」とこのたびの修理にお手を差し伸べてくださいました。独自の見解と50年来の確かな技術で、多くの職人さんが避けたがるお時計のお直しであっても、果敢に挑んでいただける職人Yさんはたびたび奇跡を起こしてくださいます。このたびも、文字盤の接着やローター等内部部品の交換を経て、しっかりと順調に時を刻むように仕上げてくださいました。まるで落下させたことを感じさせない、針のなめらかな動きがとても素敵でございます。
もちろん、お時計がご老体であるのは変わりませんので、水分の内部侵入や衝撃・温度変化などにはお気を付けいただかなくてはなりません。しかし、大切に扱い適切なメンテナンスを行えば、さらに健康で長生きをしてくれるはずなのです。半世紀を超え、子供や孫、人から人の手へ受け継がれるお時計でありますように。
J様、このたびは大切なお時計をお任せいただきありがとうございました。【20587】
「チュードルのお時計は、【チュードルのための修理工房】のページでも受け付けております。」
より専門性の高い情報を記載しておりますので、是非ご覧ください。
https://wr-tudor.com/
今日の業務目標
- お時計のお納めのための作業等は、どんどん新人スタッフさんたちにお任せし、一日に余裕のあるスケジュールを意識し動きます。→新しい作業や、先日覚えていただいたばかりの作業を新人スタッフさんにお願いし、できることを増やし慣れていただくように指示致しました。分からないところがないかなど、定期的の声をかけ、作業の最終チェクを行いました。
- これまで手の付けられていない、お見積りやご来店日時などのご意向をおうかがいできていない件を、お客様にご連絡し確認致します。→数件ですが、お電話が繋がりご意向をお伺いすることが出来ました。
あすへの引き継ぎ事項
- 引き続き、お客様へのご連絡が完了していない件を抽出し、本日以上にご連絡件数を増やしてまいります。
日報作成時間
20:30 – 21:00
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