時計修理工房の柴野でございます。
本日もたくさんのご来店・ご依頼を誠に有り難うございます。
さて、本日は ロスコフウォッチ(ピンレバー式)のお時計のオーバーホールをご紹介させていただきます。どうぞ宜しくお願い致します。
今日のお時計【 ロスコフウォッチ 】
ご郵送にてお預かりしましたのは、可愛らしいDaffy Duckの機械式時計。ピンレバー式といわれる簡素な構造の大衆時計は、1867年にスイスのジョルジュ・フレデリック・ロスコフが完成させたものでございます。ピンレバー式脱進機が採用されたお時計は、クォーツ時計の台頭で姿を消しますが、今でも修理のご依頼をいただくことがございます。簡素な構造といえど、現代では交換パーツも無いために修理が大変難しいものでございます。
今回は、動作停止で修理のご依頼をいただきました。
お時計内部を拝見しましたところ、精度をつかさどるヒゲゼンマイと呼ばれる部分が、衝撃により「絡み」を起こしておりました。
ヒゲゼンマイは衝撃により中心がズレたり、絡まることが多く、大幅の精度不良の原因となります。
また、症状の改善をするにはヒゲゼンマイの補正の為にオーバーホールが必要でございます。
ヒゲゼンマイが破損しておりました場合は、交換パーツがございませんため修理不可となりますが、今回は破損までは至っておりませんでしたため、修理が可能でございました。
オーバーホールを進行いただき、さっそく職人に任せて、内部の機械を全て分解し、部品一つ一つを丁寧に掃除したのち、ヒゲゼンマイの修正、お時計内部の部品同士の摩耗を減らすため、新しい油を丁寧に挿し直しながら、すべての部品の組み直し作業を行いました。
全て手作業で一人の職人が行いますため、長らくお時間をいただきましたが、なるべく正確な時刻を刻むように精度の調整も無事完了いたしました。オールドタイプのため、現行のお時計のような精度は出せませんが、ふたたび息を吹き返し、T様の大切なお時計もこの先長らくご愛用いただけるものと存じます。
お時計の最終チェックが完了しましたのち、T様にメールにて修理完了のご報告を差し上げました。この度は大切なお時計をお預けくださり、誠に有り難うございました!ご来店をおまちしております。
現在、大変多くご利用いただいておりますため、お時計をお預かりしましてからお見積りまで最大で2〜3週間のお時間がかかります。ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
時計修理金額の概要
- オーバーホール
今回の修理金額は3万円台でございました。
※お時計のモデルや修理内容により金額は変動いたしますので、まずはお見積もりをご依頼ください。
お見積もりまでは無償でございます。(お返しの送料はご負担いただいております。)
今日の業務目標
- 慎重に完了品チェックをし、お届けまでのフローをスムーズに行います。
今日の業務スケジュール
10:00 – 職人から届きました修理完了のお時計の仕分け作業。電話応対。
修理完了しましたお時計の最終チェック作業。修理報告書作成。
お電話とメールにて修理完了しましたお時計お渡し・発送のご連絡。
本日発送します修理完了しましたお時計の伝票発行、発送準備。
15:20 – 休憩をいただきました。
16:20 – 修理完了しましたお時計の最終チェック作業。修理報告書作成。
職人から届きました修理完了のお時計の仕分け作業。電話応対。
お見積の作成、お客様へお電話とメールにてご連絡。
19:00 – お電話とメールにて修理完了しましたお時計お渡し・発送のご連絡。
日報作成時間
19:40 – 20:10
34001
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