梅雨入りをした地域もあるそうで、いよいよ夏の足音が近づいてきました。ここ名古屋市もじきに、特有の湿気をまとった暑さがやって来ます。大切なお時計を長くお使いいただけるよう、湿気や雨水から遠ざけながら、お気を付けてご愛用くださいませ。
時計修理工房の石川から、本日の時計修理業務をご報告するとともに、職人さんから学んだことについてご紹介致します。
今日のお写真【ムーブメントとつながるリューズ】
「リューズの不調なのに、なぜムーブメントも交換しなくていけないんですか?」
お見積もりをご報告差し上げたお客様より、お問い合わせをいただきました。
外装から見るに、内部の機械とリューズは一体化しているように見えず、リューズが単体で外れてしまう破損事例を考えますと、たしかにムーブメント(内部機械)まで交換しなくてはならない必要性が理解し難いものでございます。
そこで、職人さんにくわしく理由をうかがいました。
リューズは巻真という金属の芯で内部機械(=ムーブメント)につながっており、私たちがリューズを引き出したり回転させたりすることで、文字盤の針やカレンダーディスクの回転を操作いたします。リューズは日常で操作する際に軽く引き出して使いますが、簡単に抜けてしまわないように設計されております。
巻真ごとリューズが抜けてしまう原因は、
① 巻真そのものがただ強い力で引っ張り抜けてしまったか、または
②ムーブメント機械にも破損が及んでしまっているか
のどちらかと考えられます。
そのために、②の状態であれば、必然的にムーブメントも破損していることになり、リューズを含めたムーブメントの交換が必要となるのです。(①であれば、交換せずにお取り付けを行うことも可能でございます。)
一見イメージがしづらく、症状の原因をよく調べなくてはわからない事柄ですので、詳しいご説明が必要になってまいります。お客様にご納得いただき、作業に着手しなくてはなりませんから、言葉で『伝える』ことの大切さをあらためて学ぶ機会となりました。
このたびのお客様からの貴重なご指摘により、今後お直しのお見積もりをご案内差し上げる際の改善点を発見することができました。誠にありがとうございます。
今日の業務目標
- 修理ご提案に対し、ご意向をうかがえていない件について、お客様にお見積りが伝わっているか確認のご連絡をいたします。→7件のご連絡を完了致しました。
- 週末にかけてお問い合わせ頂いたメールのすべてに早急に返信対応致します。→計70通程度、昨日ご対応完了いたしました。
あすへの引き継ぎ事項
- 本日営業時間外〜あす営業時間内にいただいた、すべてのお問い合わせのメールに、即日中にご対応いたします。
- 修理完了期日が迫っているお時計の修理につきまして、工房に完了期日の確認を行います。
- お見積りのご案内が出来ていないお時計の修理につきまして、あわせて確認を行い、早急にお客様へご連絡するよう手配致します。
日報作成時間
18:00 – 18:30
コメントを残す