こんにちは、時計修理工房の平野でございます。本日、私平野は職人が修理を行う工房へ訪問し、お預かりしたお時計についてのご相談や、修理が完了したお時計の修理内容解説などをお伺いしてまいりました。職人の方々のお話はいつも興味深く、勉強になることばかりです。普段このようなお話は、私平野からの口伝えとなっておりますが、是非とも他の修理工房スタッフにも、工房へ訪問する機会を設け、職人の姿勢や言葉を肌で感じて頂ければと考えております。
今日のお時計【オメガ】
「あ、この時計ぼくも持ってたよ。」
お客様からお預かりしたオメガのお時計を職人にお見せして、1点1点のご説明をして頂いていた最中、職人のW様が手を止め、ポツリと呟きました。40年以上前に造られたアンティークとして非常に価値のあるお時計とのことでございます。
「だけどね、お客様の時計を修理するときにどうしても手にはいらない部品があってさ。直せないのが悔しくて、自分の時計から部品を拝借しちゃったんだよな。けっきょくぼくの時計は動かなくなってさ。あ、もちろんお客様のお時計は直ったよ。まあ、損な性分だよね。。。」
苦笑いをしながら語る職人の顔には、後悔の言葉とは裏腹に、仕事を成し遂げた「達成感」を思い出しての、満ち足りた表情が浮かんでおりました。
( ※ トップの写真は、私平野の祖父の柱時計を私が分解した際に撮影したものです。時計修理の真似事をした結果、帰らぬ時計となってしまいました。)
あすへの引き継ぎ事項
- 再修理依頼のお客様の元へ私平野が直接お伺いし、お時計をお預かりしてまいります。時計修理工房を代表して謝罪申し上げ、失礼のないよう、心して参ります。
日報作成時間
19:30 – 19:55
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