お盆の連休が終わり、途端に夏の終わりを意識し出す時節でございます。日中はまだまだ残暑の日差しが厳しいですが、夜は肌寒さを感じる日もあり、あっという間に秋が訪れるのでしょうね。お休みが明け、特にご来店やお問い合わせのお電話をいただくことを多く感じます。連休中にご愛用のお時計の不具合を感じられた、また帰省された際に思い出のお時計の修理を思い立たれたなどお客様から伺うエピソードは様々。日々、少しでもお役に立つべくお客様からのお声を丁寧にヒアリングしてまいります。ご相談はもちろん、率直なご感想やお叱りのお言葉までお聞かせいただきますと幸いでございます。本日も誠にありがとうございました。
時計修理工房の石川から、本日の時計修理業務をご報告するとともに、お客様からお預かり致しましたゼニスのお時計をご紹介致します。
今日のお時計【ゼニス】
本日拝見いたしましたゼニスのお時計は、私石川(いしかわ)が初めて出会ったユニークなモデルでございました。
「プッシュボタンが一つしかない。そしてストップウォッチ機能が動いたまま止まらない。これはどういう仕組のお時計なのだろうか。」
お客様からお時計をお預かりする、またお時計をお納めするにあたり、必ずスタッフが自身の手でお時計の不具合・修理完了箇所や動作の確認を行います。確認をするためにはお時計の特性を知り、正しい扱い方でお客様の大切なお時計に触れなくてはなりません。これまでお時計の修理業務に携わり一年以上、ほぼ毎日二十本以上のお時計に出会い続け、仕組みなどを学んでまいりました。特にクロノグラフの機能が付いているお時計はよく拝見致しますので、操作方法については理解しているつもりでございました。
通常は2時位置のボタンでクロノグラフのスタート/ストップを操作し、4時位置のボタンで記録をリセットするものでございます。しかし、本日点検したゼニス・レトロタイマーというモデルには、プッシュボタンがたった一つのみ。そして、常にクロノグラフの針が動きっぱなし、リセットを押してもふたたび自然と動き出してしまう状態なのです。まさか、操作中に何かの部品が破損しておかしな動きをしてしまっているのか・・・と心配になりお時計の仕組みについてすぐさまお調べ致しました。
なんと、こちらのモデルは、動力があり続ける限りクロノグラフが作動し続けるという珍しいタイプでございました。
三針時計の秒針のように動作致しますが、30分積算計には分数がきちんと計測され続けます。デザインされた方はどのような思いから製作されたのでしょうか。クロノグラフの針が動くことで、日常の出来事を一秒一秒しっかりと刻み、記録し続けるようで素敵でございますね。
世の中にはまだまだ拝見したことのないお時計が沢山存在します。お客様の大切なお時計をお預かりする業務を通し、お客様との出逢いはもちろん、珍しいお時計との出逢いがあり楽しみが尽きません。修理のご依頼をいただくなかで、ぜひお客様の大切なお時計の特性や歴史、自慢のエピソードなどをお聞かせくださいませ。お話を伺いながら、一層思いを込めてお直しに尽力してまいります。
「ゼニスのお時計は、【ゼニスのための修理工房】のページでも受け付けております。」
より専門性の高い情報を記載しておりますので、是非ご覧ください。
今日の業務目標
- 19984のお客様よりお問い合わせいただきました、ご返却希望のお時計について職人さんに窓口到着日を確認します。窓口に到着次第、お客様に早急にご連絡を致します。→本日ちょうどご返却があり、お客様にご連絡致しました。ご希望のお受け取り日に間に合わせることが出来ました。
- 連休明けにより工房での作業が再開し始めたため、修理を完了したお時計が多く窓口に到着する見込みでございます。連休中にお問い合わせいただいたものや期日の近いものを確認し、お納めの準備に徹します。→随時進行しております。
あすへの引き継ぎ事項
- 奥平さんが明日より不在となりますので、スタッフでカバーし合い、明日はお時計のお受け取りとお納めの作業を担当致します。効率良く動けるよう、よく考え行動致します。
日報作成時間
21:00 – 21:30
コメントを残す