修理工房の近藤です。本日もたくさんのご来店、誠にありがとうございます。

本日は、切替車について書かせていただきます、宜しくお願いします。

今日のお写真【切替車】

本日は、タイトルにも書かせていただきました、ワインダーの連続使用による切替車の磨耗について書かせていただきます。
なぜかというと、最近見積りを作成していて、ワインダーをご使用されているお客様のお時計の、切替車の磨耗が原因による交換率が非常に高い為、職人に聞いたところ、ワインダーの連続使用は内部の機械油と、自動巻き機構の部品が早く消耗することが、判明致しました。

ワインダーとは…
自動巻きのお時計を回転させ、ゼンマイを巻き上げる機械でございまして、機械によりましては、右回転、左回転、またタイマーにて、動かす時間をセット出来るものもございます。自動巻きのお時計を幾つかご愛用されているお客様は、ワインダーをご使用されている方も多いかと存じます。ワインダーは、言ってしまえば強制的に自動巻きを行う機械でございます。長時間、また毎日使用しますと、内部部品の磨耗、内部の機械油の劣化が早まります。

症状の例

・ワインダーを一方方向(例:右回転)で回し続けますと、自動巻き機構の切替車が片減りを起こし、自動巻き効率が低下したり、巻き上げを行わなくなります。

・常に自動巻きを行うということは、常に腕を振っている状態と同じ状況でございますので、内部の潤滑油である機械油の渇きが通常より早く進みます、機械油が減少することにより、内部部品を湿気から守る役割、また耐摩耗の役割が衰え、最終的には、磨耗した金属の粉が内部部品と絡まり、動作の停止、内部部品の破損、サビの発生に繋がります。

症状発症の可能性を書き出せばきキリがございませんが、ワインダーをご使用するにあたりまして、肝心なことは…
「お時計にとって適度な運動をさせることです」人間も同じように毎日激しい運動をしてしまうと疲労がたまってしまいます。適度な運動が健康の秘訣でもありますよね!

裏蓋がガラスになっているお時計をご愛用のお客様は、内部に金属が削れたような粉が発生していたら、要注意です!

内部が拝見できないお時計は、ゼンマイの持ちが12時間以内の場合、自動巻きがしっかり機能していない可能性に心当たりのあるお客様は、是非一度点検をお勧めいたします。

 

今日の業務目標

  • 見積りを30件以上ご案内する。

日報作成時間

19:00

日本全国から時計修理を承っております。
よろしければこちらの「時計修理について」もあわせてご覧ください。



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この日報は、 近藤【時計修理工房】が執筆しました。

初めまして、時計修理工房 店長の近藤と申します。何卒宜しくお願い致します。 私は、見積りを整え、お客様にご案内する業務を中心に、大切なお時計をより安心してお任せ頂けるよう、実績やサービスの向上に努めております。 修理の不明点などございましたら、工程を事細かく説明を致しますので、お問い合わせください。 また、愛知県名古屋市の本社窓口に在籍しておりますので、窓口にいらした際には是非直接ご挨拶させて頂ければ幸いでございます。 お時計がお好きな男性のお客様は、お車がお好きな方が多くいらっしゃいます!私もその一人でございまして、休日は趣味の車を車庫から引っ張り出し走りに繰り出す事も…。 お車がお好きなお客様は、大切なお時計のお話と共に、ご愛車のお話も是非お聞かせ下さい。

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2 Comments

Ryo

初めまして。
いくつか機械式の腕時計を持っており、
先日メーカーへオーバーホールに出したのですが、
見積もり内容に「切替車が摩耗している為、交換が必要」とあった為、
切替車がどういうものかと調べていてこちらの記事にたどり着きました。

現在所有する腕時計は全てワインダーで回しており、
外出時は気に入ったものばかりを着用していることもあり、
ほとんどのものがワインダーで断続的に回しっぱなしという状態です。
もちろん、止まらない程度に着用してあげるというのが最適かと思いますが、
出張で家を空けることが多いため、それは難しいです。

そこで質問ですが、中期~長期で着用しない腕時計については下手にワインダーで動作させ続けるよりも、
止まった状態で置いていたほうが耐久性等の観点から良いのでしょうか。

少し前の記事ですので、お目通しいただけないかもしれませんが、
ご教示いただけると幸いです。

Reply
三島 【時計修理工房】

コメントありがとうございます。
ご回答が遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。
ブログの記事内容と重複となりますが、ワインダーで時計が動き続ける状態については、その分部品の摩耗を早めることなります。
結果、使用頻度が低いにも関わらず、不具合や部品交換の時期を早める原因となります。
耐久性の観点から申し上げますと、使用頻度の低いお時計は、止めて保管された方が長持ちするかと存じます。
ただ、長く止めて置きますと、内部の潤滑油が偏ったり、固くなったりする可能性がございますので、1ヶ月に1回程度、巻いて動かす日があった方がよいかと存じます。
ちなみに動いていても止まっていても、潤滑油の経年劣化は進みますため、止めておいても定期的なメンテナンスは必要でございます。

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2021年6月17日(木)
株式会社修理工房
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