久々の日報記事となります。本日も多くのお問い合わせ、ご来店をいただきありがとうございます。気がつけば9月も最終週でございます。修理期間を長らく頂かなくてはならない件について、職人さんとお話をする際に「年内の仕上がり」といったワードを耳にし、あらためて今年も下半期を半分以上が過ぎ去ってしまったことを実感致しました。日々たくさんのお客様やその大切なお時計に出会い、一年があっという間に過ぎていきそうですが、残された日数でどれだけのお客様に喜んでいただくことが出来るのかを考え着実に前進してまいります。今週もどうぞよろしくお願い致します。
時計修理工房の石川から、本日の時計修理業務をご報告するとともに、職人さんより教わったお時計の部品についてご紹介致します。
今日のお写真【ゼンマイ】
以前にも『ゼンマイとは?』という記事で、お時計の大切な部品であるゼンマイについてご紹介致しました。
本日、あらためてゼンマイ部品について職人さんに学ばせていただく機会がございましたので、早速お伝えさせてくださいませ。
交換された部品のみを拝見致しますと、ゼンマイはどれも同じ形状・同じ長さ・同じ材質に見えてしまいます。たくさんのゼンマイを並べてみても、私石川(いしかわ)には区別がつきません。内部部品の中でも、歯車などの細かな部品においては代用が効かず、まったく同じ部品がご用意できかねる場合には修理を行うことが出来ないこともございます。しかし、ゼンマイ部品には、代用が効かずに修理ができなかったという事例はあまり耳にしたことがございませんでした。
しかし、職人さんにお話をうかがいますと、そんなゼンマイ部品にもよーく目を凝らすと違いがあるということがわかりました。ゼンマイは香箱という箱に収まり、中心に巻かれ、ぎゅっと収縮し、それが解かれる力をパワーにして作動の仕組みを担います。その、中心に引っかかる穴の形状がお時計それぞれで異なるのだそうです。うまく引っかからない形状であれば、リューズを回転させてもゼンマイが巻かれることがなく、まったく役に立たなくなってしまいます。
さらに、長さ・厚みに加え柔らかさも大切な要素となるとのこと。思っていたよりもオリジナリティーにあふれる部品だということに驚きました。条件が増えれば増えるほどに、交換のための部品を見繕うのは困難であり、見事に見つかればそれは運命的なタイミングでの奇跡に近いものに感じられます。仕上がり後のお時計を前にすると、「修理ができて当然、元通りに復元されるのが当たり前」と思いがちなものでございますが、ゼンマイだけでなく様々な部品や職人さんの素晴らしい技術により、また時を刻みだす。そのことが、いかに貴重なことなのかを再認識する機会となったのでした。
今日の業務目標
- 社内定例会議のためスタッフの人数が少なくなりますので、新人スタッフを含め、お電話や窓口でのご対応および通常業務に滞りのないよう適切な指示や丁寧な取り組みを心掛けます。→およそ4時間程度の間、全員で協力し合い、お問合わせのお電話やお客様のご来店が続く慌ただしい時間帯も乗り越えることが出来ました。
あすへの引き継ぎ事項
- 20909のお客様へ、お見積内容について再度ご連絡を致します。
- 20386のお客様へ、修理のご提案についてお問い合わせをいただいた件をご連絡致します。
日報作成時間
21:30 – 22:00
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