束の間の晴れ間が見えた本日、今年で一番の暑さを感じました。汗ばみながらご来店いただくお客様もいらっしゃり、すぐさまよく冷えたお茶をお出しして涼しい窓口へご案内致しました。本日も多くのお客様のご来店、お問い合わせをいただきありがとうございました。
時計修理工房の石川から、本日の時計修理業務をご報告するとともに、職人さんより教わったお時計の性質についてご紹介致します。
今日のお話【防水機能について】/ 今日のお写真【紫陽花】
「防水機能が付いているから、海に潜ってもいいんですよね?」
といったお尋ねをいただくことがしばしばございます。特に、海辺や川辺でのレジャーを楽しむ季節が到来し、お気に入りのお時計を水辺でも身につけて楽しみたいと思われるお客様も多くいらっしゃることと存じます。
しかし、お時計が防水機能に防水機能が備わっていると言っても注意が必要でございます。
潜水用につくられたダイバーズウォッチではない限り、基本的にお水は金属製であるお時計にとっては危険なものです。新品ご購入時から、お時計は日々ご愛用頂くなかで確実に部品の摩耗や劣化が進んでまいります。リューズ周辺やケースのひずみなどのほんのわずかな隙間から水分が内部に侵入してしまうと、機械自体に錆が広がり文字盤や針にも腐食が起こってしまいます。特に海水の場合は1〜3日で内部を真っ赤に錆びさせてしまう、と職人さんより伝え聞いております。過去にも、海水が入ってしまい修復不可能なほどに内部全体が錆びつき、修理のご提案が出来ずに、お時計をやむなくお返しさせていただいたことがございました。
通常、「非防水」のお時計はもちろん、「生活防水」や「10気圧」以下のお時計は、水辺でのご使用にお気を付けいただきたく存じます。たとえ防水性があるものでも、水道から流れるお水などには想像よりも高い圧が掛かっているもの。簡単に5気圧程度に達するそうです。10気圧(100m)を超えるものは水中でのご使用も可能ですが、あくまでメンテナンスをしっかりと行った状態であることなどが前提となります。
そこで、ご愛用のお時計が現時点でどの程度防水機能を持っているかを知ることが大切になります。長年ご愛用いただく程に、新品ご購入時に説明を受けた防水性よりも多少なりとも劣っていくもの。防水性の維持のためにも、適切なメンテナンスを実施することは大切なお時計を守ることにも繋がりますね。防水検査はもちろん、裏蓋のパッキンの交換や、摩耗してしまったリューズなど部品の交換やメンテナンスも承ります。お気軽にご相談くださいませ。
お写真は、今回のお話とは関係ございません。窓口のございます那古野周辺で大輪の紫陽花が美しく花開いておりましたので思わず写真に収めました。本日のようなうだるように暑い日にも、涼しげに凛と咲いており、背筋が伸びる思いでございました。
今日の業務目標
- 18689の再度修理でご迷惑をお掛けしたお客様へ、お電話にて修理結果および最終点検の結果をご報告し、ご安心いただけるようなご案内を致します。→完了致しました。
- 週末にやり残し作業の無いようお時計のお納めやご連絡に不備がないかをチェックします。→朝早めの出勤でカバー致しました。
- 事務所に関する様々な費用の振込を行います。→本日20日締め切りのものはすべて支払いを完了しました。
あすへの引き継ぎ事項
- 18646のお時計を窓口でお納めするまで、動作の遅れなどがないか点検致します。
日報作成時間
19:40 – 20:20
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